DUO RESONANCE BODY PAINTINGSUPPLEMENT
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■DuoショーVol.0『DUO RESONANCE BODY PAINTING』出演者座談会

【語り手】
     
ボディーペインター
岡島延峰
 
写真家
殿村忠博
 
 ドラマー
ichiroh(スプレット・ザ・ウイングス)
【聞き手】
松本京也(KyoPro Co.Ltd.)


皆さん、まずはお疲れさまでした!
岡島・殿村・ichi「お疲れ〜!!!(っス)」
ショーが無事終わって何週間か経ちましたが、今日は本番を振り返って、感想なり反省なりクレームなり(笑)…色々と述べていただきます!
岡島「もう忘れたなァ(笑)」
殿村「昨日のことも覚えてないのに」
まぁまぁ、そうおっしゃらず。招待された方々の反応はいかがでしたか?
岡島「ももチャン(“ボディー”担当モデル・飯沢もも)の評判、良かったみたいね」
具体的には?
岡島「『昔で言うところの“トランジスタ・グラマー”。メリハリが効いてて、良いモデルさんだな』って」
衣装やメイクについては?
岡島「『もう少し見せてくれたらヨカッタ』…だって」
(一同・笑)
殿村「それは男子的な欲求じゃないですか〜」
岡島「あとはTバックの色かな。『赤じゃなくて、肌色か、前貼りのようなものの方が良かったんじゃないか』と言われたよ」
絵を描くキャンバスとしては、主張し過ぎていると?
岡島「お客さんはみんな大人だからね、隠す方ばかりを意識しなくても、という意味だろうね」
ハコ側の問題もあるとは思いますけどね。どこまで見せて大丈夫かという…。
殿村「もう少しニュートラルな色が良かったかもね」
岡島「Tバックの色に合わせて、腰のあたりに赤色を入れてみたんだけど、布地と肌ではやはり見え方が違うからね」
殿村「お客さんの席からは判らないかもしれないけど、写真撮ってるとやっぱり気になりましたよ」
ichi「僕のドラムの位置からは判らないぐらいでしたけどね。本格的に色が入る頃には、もう退場してましたけど」
モデルの髪は付け毛ではなく自前でしたけど、何か指定をされたんですか?
岡島「ヘアメイクさんが当日、『こんな感じでどうですか?』と言って見せてくれたんだけど、素晴らしい仕上がりで文句無しだったよ」
ichi「会場入りのときは普通の髪型だったのに、短時間で変わってたから『速いなァ!』と思いましたよ」
殿村「ヘアメイクさんたち、ショーには随分慣れてるみたいよ」
今回は初チャレンジの人が多かったですが、もしかしたら一番慣れているのは彼らかもしれませんね。
ichi「モデル1人、ダンサー6人、バンド5人で…12人! それをヘアメイク3人でやるなんてすごいですね〜」
岡島「メイクしなかったのは、私と殿村さんだけか。やってくれるかなと、楽しみにしてたんだけど…」
(一同・笑)
岡島「普段は髭をあんな風に伸ばさないんだよ。でも、役作りのために切らなかった」
自己流の“特殊メイク”ですね!(笑)
岡島「メイクと言えば、リハーサルのときなんかも、ダンサーのコたちが舞台から下りる度に『メイクが弱い!』と言って何度も書き直したりしていたでしょ? そういうのを見て、それぞれの持ち場の人が力を出し合ってショーを良いものにしようという意気込みをすごく感じたね」
殿村「それはありましたねぇ」
僕はリハーサルに参加できなかったから、お客さんと同じ立場になって観させてもらったんですけど、ペインティングの塗り試しとかってどのぐらいされたんですか?
岡島「一切無し! 時間だけもらって、描いてるフリ。筆と絵の具を持ってね」
先生にとって普段とは違うアートじゃないですか? それをぶっつけ本番で!?
岡島「等身大の紙を用意したんだけど、結局、表と裏で2・3枚程度しか描かなかった。絵の具の流れ具合や水の浸し具合…紙と人間の肌は違うからね。実際、我の肌はパサパサしているから、わりとスッと顔料が乗るんだけど、若い女性は全然違う。ももチャンに聞いたら、『私もサラサラしてるんで、大丈夫ですよ!』って言ってたんだけど、彼女の肌、とくに乳房に色を乗せたらね、パッと弾くんだよ」
殿村「これですね」
(殿村氏が舞台で撮った写真を収録したノートパソコンの画面を見せる。選択された写真は、モデルの胸のあたりに色を乗せているカット)
岡島「そうそう、コレだよ」
ichi「(絵の具が)流れてるヤツですか?」
岡島「ちょうど君らのバンド演奏が入った頃に絵の具の用意を始めて、(ボディーペインティングの時間まで)35分ぐらいあるから渇くかなと思ってちょっと緩めに溶いておいたんだけど、あまり渇いてなかった。ちょっと軟らか過ぎたね」
モデルの汗のせいでは?
岡島「全然かいてなかったよ。最初の予定は5分間のペインティングだったけど、結局10分ぐらいやった。大したモンだよ」
ichi「すごいですね〜、延峰さんもモデルさんも」
岡島「終盤に式神(ダンサー)が集まってくるでしょ? でも、まだ終わらないから『待ってろ!』って」
(一同・笑)
岡島「箔を置かなきゃ終われないんだけど、チック(糊のようなもの)が伸びなくて困った」
あのまま納得がいくまで塗り続けるんじゃないかと思いましたよ(笑)。
岡島「本音で言えばそこまでやりたかった。表現できたのは、自分の思った気持ちの半分以下じゃないかな。箔を使うのは日本独特の文化だし、最初に神尾さん(製作総指揮・神尾憲一)と話したとき、『あくまで希望的な目標だけど、最終到着点はラスベガス』だと聞いてたから、それなら日本の色や味、エッセンスをより多く表現した方が良いんじゃないかなと思った。インスタレーション的な勢いでやるんじゃなく、ちゃんとシナリオがある方が合うだろうと。ボディーの表に描いた色は暖色の“陽”、背中は寒色の“陰”。それを帯、“結び”という日本古来からあるものを使って表現しようとしたんだよ」
ちょうど陰と陽で“陰陽師”ですね?
岡島「そうなんだよ」
一同「ほぉ〜」
岡島「この胸のところが“天と地”でね…」
ichirohさんは舞台でのペインティングは見てないんですよね?
ichi「後で殿村さんが写真を撮っているときに“完成版”を拝見しました」
そのときの印象は?
ichi「思ったよりカラフルでした。もっと、なんかこう…言い方悪いですけど地味な感じになるのかなァと思っていたので、すごく斬新でした」
ドラム演奏において意識したことはありますか?
ichi「僕が神尾さんと話したときも、やっぱり“和”のイメージだと聞いていたので、普通のドラムスをやってもしょうがないかなと思ったんです。太鼓どうしの和音というか、“響き”みたいなものを演ったつもりなんですけどね」
ichirohさんのドラムがすごく響いていて、ショー全体を振り返ってみると、音の印象も強いですね。ダンサーの方たちも、「ドラムが効いてたよね」って話題になっていましたし。
ichi「本当ですか? ありがとうございます。素直に嬉しいですよ」
ドラムの音が際立つようなセッティングにしていたんですか?
ichi「リハーサルのときは逆に『ドラムの音が小っちゃいんじゃないか?』と言ってたんですけど、あくまで普通のバランスでしたよ」
じゃあ、ドラムが耳に強く入ってきたのは、あの空間にいた人たちの波長が合ったからですね!
ichi「そうなると良いなと思って演らせてもらいました。意外に短かったんで、もう少し叩きたかったですね。だけど、次に取っておきます!」

(舞台終了後に控え室で撮ったモデルの写真を見ながら…)
岡島「良いねぇ、コレ! 鏡の前に立つと、表と裏が見える感じで」
ichi「背中の感じがすごくセクシーですよ」
岡島「…うん、良い!」
殿村「むっふふ」(良い仕事をして満足気な表情・笑)
塗り残しの部分って、逆に良いですよね。僕だったらキッチリ塗り詰めちゃうと思うんですけど、ところどころ残っているのが着物から覗いた肌のようですごくエロティックに見えます。
岡島「衣装を着ている風に見えるよね」
殿村「うん、際立ちますよ、この方が」
ichi「この写真欲しい…」
殿村「あげますあげます」
ichi「ホントですか!?」
(一同・笑)
岡島「これなんか、乳首に(銀箔を)フッと…」
殿村・ichi・松本「おおぉ〜!」
箔は何を表現しているんですか?
岡島「“炎”だね。ちょっとした風や人物の動きで、ヒラヒラと揺れる。こういった表現は今まで無かったからやってみたかったんだよ」
殿村「舞台での写真と、終了後の完成版を見比べてみると、渇いて質感がさらに良く出ている部分もありますね。欲を言うと、本当は塗り立てのところも撮りたかったんですけどね」
岡島「ステージ終わってから、結構長い間撮っていたよね〜」
入魂というか、ちょっと声かけられないぐらいで(笑)。
岡島「ももチャンも本当に一所懸命やってくれた」
本番前、先生と襦袢の持ち方を相談しているとき、「脱いでみないとわかんない?」と言って、裸で練習してましたからね。「このコ本気だ…」って思いましたよ。
岡島「リハのままだと、きっと描きづらかったと思う。それを自分で考えて自然にできるように対応してくれたのが嬉しいよ」
本人から聞いたんですが、「すごく楽しかった」「(ボディーを)やれたことが感動」と言ってました。現代っ子じゃないですか、彼女。だから最初、僕がコーディネイトした手前、「どこまで本気でやってくれるんだろう…」と心配していたんです。でも、やらされた仕事っていう感じは全然しなかったですよね。
「今見ると、ずいぶん色っぽいなァ。すごく綺麗。これも良い、これも…これも……」
(しばらく作品鑑賞会が続いたので一部省略・笑)

岡島「ダンサーのみんなも、『私も(ボディーを)やってみたい』って言ってたね」
全員に話を聞いたんですけど、もしかしたら5人全員口説けるんじゃないかなァ(笑)。恐いモノ見たさというか、皆さん興味持ってましたから。
岡島「光栄なコトだよね」
“ボディ”のオーディションをしたとき、審査員のお2人はどういう印象を持たれましたか?
殿村「すごく積極的で、普通のコとは興味を持つ目の輝きがちょっと違うなと思いましたよ。本番でもアイデアの交換をしたりね。プロ志向が強いですね、彼女」
岡島「『モノ作りが好きだ』って言ってたよね。自分でデコレーションした携帯を見せてくれたりとか、以前、時代劇で入れ墨を描いてもらう役を演じたときのことを『とっても楽しかった!』とも言っていた。だから合うだろうなと思ったよ。小柄なわりにメリハリのあるカラダで、とても良いなと思ったし」
殿村「彼女がオーディションの1人目だったのは奇跡に近いよね。松本さん、良いコ連れてきましたよ」

今回のショー、とくに“Vol.0”としての試み、ダンス、音楽、そしてボディーペインティング…どういう結果になったとお考えですか?
岡島「正直言って…ほかの部分は全然観てない!」
(一同・大爆笑)
殿村「そうそう、実はそうなんだよね。だから観てみたかったっていうのが、正直な感想(笑)」
ichi「客観的に観れてないですよね」
お客さんも心の準備ができていなかったと思うので、どういう風に受け止めたんだろうっていう興味がありますね。
殿村「だけど皆さん、興味本位で『エロでも観に行ってやるか』というよりは、ちゃんと観に来ているって感じの目をしていましたよ」
ichi「年代が幅広かったですね」
岡島「年寄りはみんな私の仲間だよ(笑)」
ichi「全員、ちゃんとした中身は知らなかったわけですよね?」
殿村「そう、だから尚更、意外だなァって」
サイトには少し情報が載ってますけどね。
ichi「アレ見ても何もわからないと思うんですけど(笑)
わかんないようにしてますよね、ワザと。」
ichi「神尾さんもそうおっしゃってました」
僕の聞いたところでは、アメリカなんかのショーは、何が起こるかわからないのを楽しみにして行く、みたいなところがあるらしいですね。
殿村「なるほどね〜」
“初モノを体験する楽しさ”って言うんでしょうか?
殿村「とにかくみんな、すごく真面目に観てたよね」
岡島「私の知り合いは、『真面目に芸術をやっているから、ちゃんと真面目に観た』と言っていたね」
ichi「僕の友達も、『実は結構、真剣なショーだったんだね』って(笑)。タケさん(「オンミョー」役・粟野武幸)のキャラクターも面白かったし、ダンスも巧いよねって」
彼にとっても初めてづくしだったらしいですけどね。
殿村「最初は女性ダンサーと同じ数でやる予定だったんだけど、神尾さんが彼を見て、1人でいくことに決めたんだよ。そしたら彼も、『こういう風にやりましょうか』って提案するタイプだから、どんどん良い方に変わっていった感じがあるね」
某大手劇団を、「雰囲気が悪くなるから」と言われてクビになったらしいですけど、神尾さんはその個性を切り離すんじゃなくて活かしたんですね。だから彼を1人にした。
殿村「芸術家もカメラマンも、バンドのメンバーも、基本的には“個”の集まりですからね。だから、彼のそういう浮き上がっている個性を活かしたのは正解なんじゃないかな」
女性ダンサーさんが言ってたんですけど、バンドが演奏しているところに彼女たちが出ていくシーンがあるじゃないですか。「あそこは、もっと照れずに絡んでくれたらよかったのに」って言ってましたよ。
ichi「かなり照れてましたよ〜。みんな一介のバンドマンなんで、『きっとダンサーさんなんて、俺たちのこと相手にしてれくれねぇよ!』って話してたし(笑)。最後にボーカルが肩だけ組んだらしいんですけど、『あれが精一杯…』とかで」
(一同・大爆笑)
皆さん長年ダンスをやっていて、先生みたいな人ばかりなんですよね。経験豊富だから、やっぱり余裕ありますよ。
ichi「うちのメンバーも、一応キャリアはある方なんですけど…やっぱ緊張しちゃってたみたいで(笑)」
殿村「イベント自体がそうだけど、そこもやっぱり“初モノ”だったんだね」
そういう殿村さんは、舞台に上がって写真を撮られたことは?
殿村「初めてですよ! 僕らは影の存在なんで、舞台の袖とか下の方から撮るのが普通だからね」
ichi「撮ってるところを観られたり撮られるんだもんな〜(笑)」
どういう経緯でカメラマンさんが舞台に上がることになったんですか?
殿村「いや〜、軽い二つ返事でした」
(一同・大爆笑)
殿村「あんなにデカいハコだと思わなくて、『あ〜やりますやります』と(笑)」
ichi「僕も、もうちょっと小さいかと(笑)」
殿村「ダンサーのオーディションで初めて会場に行って、『あれ…デカいぞ!』と(笑)」
ichi「大きいし、すごくキレイですよね、Duo」
岡島「そうだね。私が最初にDuoに行ったのは半年前ぐらい。もともと、『若いアーティストを立てよう』っていう話だったんだよ。でも、なかなか企画が固まらなくて、日程が近付いたあるとき、『やっぱり最初は先生にやってもらわないと』って…。“神尾マジック”にハマっちゃったんだよ(笑)」
神尾さんとの出会いのきっかけは何だったんですか?
岡島「『アートの会』という集まりがあって、芸術家や企業家が情報交換をする場なんだけど、そこで知り合って、ちょうどそのときに『ボディーペインティングをやりたいと思っているんですが、協力してくれませんか?』と言われた。まぁ、芸大の後輩や若いアーティストもたくさんいるから、何とかなるだろうと思っていたんだけど(笑)」
神尾さんの最初の印象は?
岡島「摩訶不思議な男ですね」
(一同・笑)
岡島「若いんだか、年を食ってるのか(笑)。でも、バイタリティはあるし、オフィスの設備も充実しているし、ちゃんと稽古場もあって、すごい人だよ」
僕が思ったのは、“日本人らしくない”ってことですね。作曲家に専念している人はいくらでもいるじゃないですか。でも神尾さんは、会社を経営して、演劇の製作だけでなく演出までやっている。そのことを聞いたら、「そう? でも、中世のヨーロッパとか、現代アメリカでは、作曲家がパトロンとつるんだり、演劇なんかの総合的な役割は作曲家の仕事ですよ」っておっしゃったんです。
殿村「へぇ〜」
岡島「実は、それは絵画・彫刻の世界にも共通することなんだよ。街を作る…今で言うと都市計画かな。過去の偉大な芸術家は、飾られる作品を造るだけでじゃなくて、石段の積み方まで全部やっていた。代表的なところでは、ミケランジェロなんかがそうだね」
日本では役割分担されていますよね。企画・設計・工事・仕上げ…といった具合に。でも、神尾さんは先を見てるというか、きっと「こうしていかなきゃ」みたいな考えがあるんでしょう。だから僕は、総合的な能力を持った方なんだなァという印象です。
ichirohさんと神尾さんの接点は、音楽ですか?
ichi「いえ、うちのバンドがお世話になっている、ある社長さんに紹介していただいたんです。でも、ドラマーは別に手配することになっていたらしいんですけど、音を聞いてもらったら、『彼で良いんじゃない』ということになって決まったんです」
神尾さん、ichirohさんのドラムをすごく高く評価されていましたよ。『まぁ聴いてみてよ』と、自信ありげに(笑)。
ichi「実際に1度、川崎のクラブチッタでのライブに来ていただいて、少し話をしたんです。そのときは、ハッキリどんなショーだとは伝えられなかったんですけど、『瞬間生芸術、つまり“瞬生”だから!』と言われて…僕も術中にハマりました」
(一同・大爆笑)
そう言えば、最初は僕もモデルのコーディネイトだけの予定だったんですけど、出演者のインタビューを頼まれて、今もこんな風に話を聞いてますね…。何だ、この不思議な感じ!?(笑)
岡島・殿村・ichi「神尾マジック(笑)」
殿村「もしかしたら、一番付き合いが長いのはオレか? まァ、いつもそんな感じですよ(笑)」
なるほど。色んな人を引き込んで、その人たちが繋がってゆくわけですね。なんか楽しいかも。神尾さんは、その中心的人物なんですね。でも、出たがりませんよね? 舞台終わりの挨拶とか、この座談会にしてもそうですけど。
ichi「てっきり今日はいらっしゃるもんだと思ってました(笑)」
岡島「『KyoPro(松本の所属する編集プロダクション)に任せてあるから』って言ってたよ(笑)」
おかしいなァ、そんなに綿密な話はしてないんだけどなァ(笑)。
岡島「理詰めで攻めてくるタイプじゃなくてさ、エサをあちらこちらに撒いて、それを食べたときには捕まえてるっていうタイプなんだよ」
『シルク・ド・ソレイユ』や『O(オー)』の話をしてくれて、「日本にはそういうのが無いから、独特の文化を広めていかなくちゃ」とおっしゃっていたので、絶対的な確信は持っているんじゃないかなと。
岡島「『アジア発、世界に誇れる娯楽の街として、東京から発信していかないといけない』という話を石原都知事ともしていたらしいから、その先はきっちりと見据えているのさ」

今回、色んな分野のプロやアーティストとコラボレーションしてみて、普段のモノ作りの過程との違いは感じましたか?
岡島「それはねぇ、今回のショーで一番感動した部分。私の普段の作業は、1人でコツコツとモノを作り上げていくんだけど、今回はそれぞれのパートの人が、このショーを成功させるべく力を出し合っている。ヘアメイクさん、衣装の方、振付の2人、カメラマン、ドラマー、ダンサー、モデル、舞台関係の人たち…みんながリハーサルを終えた頃にだんだん盛り上がってくる。あれはもう、感動モノだよ。今までにそういう体験は無かったからね」
ichirohさんはミュージシャンとして何か刺激を受けましたか?
ichi「やはり知らない世界を教えていただいたっていうことが大きいです。自分みたいな若輩者がそういう経験をさせてもらって。自分のフィールドに戻ったときに違う視点からモノが見られるので、この先を作っていくという意味で、可能性が広がった気がします」
ダンスシーンでドラムを叩くというのは斬新でしたね。ほかのメンバーは捌けているのに、ichirohさんだけ残ってドラムスオンリーで。
ichi「あれは神尾さんが最初から考えられていたアイデアなんですけど、正直、最初は『何でドラムなんだろう?』って思いましたね」
岡島「リハーサルに行ったら、いきなりヘビメタ(?)がいるからビックリしたけどね(笑)」
ichi「でも、ドラムセットって、打楽器のなかでは色んな音色が出る楽器なんですよね。だから神尾さんは、そのあたりで決めた部分があると思います。これは、僕の師匠と話していたことなんですが、パーカッションだとダイナミクスの点でドラムには追いつかない、和太鼓だと音色がそんなにたくさん表現できない。だからドラムなんだろうなと。自分はあまりドラムソロは好きな方じゃなくて、ほとんど初めてに近かったんですけど、こういうカタチでやらせてもらったのはとても光栄です。メンバーも本当に楽しんでました。『またあったら絶対出たいから誘ってくれ』って言ってましたよ」
普通に自分たちのフィールドだけで活動していたら、絶対に出逢えない間柄ですからね。
ichi「もう、楽器にペインティングしてもらいたいぐらいですよ(笑)」
先生はもともと造形のプロだから、楽器をアートっぽくしてもらうとか?
ichi「ドラムのパーツを作ってもらいたいです!」
岡島「じゃあ、骨で作ろうか?」
ichi「カッコいい! それやって欲しいなぁ、絶対」
岡島「メンバーのアクセサリーも全部作ってあげるよ」
ichi「ありがとうございます!! 嬉しい〜」
これが“融合”の良いところですよね〜。さすが神尾さん、深い!

では最後に、Duoショーの今後の目標を!
岡島「もっともっとレベルの高いものにしていきたいよね」
殿村「このまま終わらそうなんて誰も思ってないでしょ」
ichi「全国ツアーとかやりたいですね(笑)」
岡島「ボディーペインティングを描きたい人、描かれたい人も募集しなきゃね」
(一同・笑)




インタビュアー/松本京也(KyoPro)


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