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今作品のヒロイン,節子役の布川しおさんにインタビューしました。 稽古中・インタビュー中に見せるその真剣な眼差しは,どんな困難にも負けず精一杯生きていこうとする強い女性の姿を映し出しているようです。 sio1




sio2 T 今日はよろしくお願いします。
布川 (以下,節)こちらこそよろしくお願いします。
T いつもみんなを役名で呼んでるから,今日もそれでいい?
いいわよ。
T まず,この作品の第一印象は?
いきなりレイプシーンだもんね,びっくりした。レイプって女の子にとって「究極」の事件だと思うもの。男の子には分からないと思うけど,女の子は殺された方がましだって思うはず。そんな場面から始まるミュージカルってないわよね。衝撃的なミュージカル。
T そんな節子を演じていて「ここは私と似てるなー」と思うところってどこ?
好きになる気持ちが純粋で一途なところ。人を好きになるときに,その人に対する周りの評価に関係なく,自分の気持ちに正直になれるところなんかは似てると思う。
T 一途なんだ。ふーん(笑) sio3
あっ,何よー(笑)
T でも節子の恋人の民夫は「変わり者」だもんね。よく付き合ってるよね。
民夫は変わった人だけど,節子はもてるから,そういう人って普通の人に満足しないで自分の世界を持っている人にひかれたりするじゃない?民夫と節子が付き合ってるのもそんなに不思議なことではないと思う。
T レイプさせた「ナイフ」ってどんな奴?
ナイフは不良なんだけど,男の子らしい純粋さで母性本能をくすぐるタイプね。なんか放っておけなくなるっていうか。
T 節子って大人だよね。他の役が子供っぽく思えるもの。
うん。私もそう思う。結婚して人に幸せにしてもらおうって考える女性がまだ多いけど,節子は男に頼ったりしないで自分の足で生きていこうとしている強い女性。レイプの事件の後も民夫と付き合い続けるし,そのうち「伝説のカップル」とか呼ばれるようになっちゃう。とっても節子はつらいと思うのね。それでもひたむきに,民夫だけをを愛し続けようとする気持ちは,絶対観てくれる女の子にも分かってもらえると思う。
T この作品はONAIR EASTで一日しかないけど,どう?
たった一日っていうのは,もったいない気がする。でもねロングランの公演ってどこかで甘えが出ちゃうっていうか,なんかマンネリ化しちゃうの。例えば舞台上で役の気分に成りきれてなくても体が自然と動いていたり。その点,一日公演なら新鮮な気持ちでやることができるでしょう。舞台からお客さんに伝わるものが違うと思う。でもやっぱりこの作品は絶対一回では終わらせたくないな。私,一応ヒロインだし(笑)
T えっ,一応? いやいや立派にヒロインですよ。男に囲まれてばっかりだしね(笑)
男に囲まれるのがヒロインなの? でもまぁちょっとはうれしいかな(笑)
T じゃあ最後に,見に来てくれるお客さんに一言。
お客さんはみんな舞台の中の誰かに感情移入して観てくれると思うけど,節子に感情移入してくれる人には,大きな事件を乗り越えて,強く生きていこうとする女性の姿を感じてほしい。舞台を見終わった後に何も残らないような作品はいっぱいあるけど,この作品はどのお客さんにも,必ず何かを心に残してもらえるような舞台にしたいと思っているわ。そして,ふと自分が今どうやって生きているかを考える一つのきっかけになってもらえたらと思います。皆さん,ぜひ会場に足を運んでくださいね。




作品のヒロインであり,数々の衝撃的シーンを演じる布川さん。その瞳,その話に,この舞台にかける熱い思いが伝わってきました。当日,節子が私たちの心に残してくれるものは何か,皆さん期待して見に来てください!今日は本当にありがとうございました。

次回はナイフ役の「篠原功」さんです。ご期待ください。

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