暴走族のリーダー，ナイフを演じる篠原功さん。不良役ではありますが，その素顔からはまじめに舞台に取り組む意気込みが伝わってきます

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T	今日はよろしくお願いします。
ナイフ	よろしく。
T	ナイフさんはどういう役柄ですか？
ナイフ	俺？ 俺は基本的に寂しがり屋。ジャックナイフとか暴走族とかの鎧でかためて強がってるっていう。

	T	人間は誰でも寂しい部分はありますよね。
	ナイフ	俺はそれが，人より強く表に出たタイプの人間だね。
	T	普段の篠原さんと一緒ですか。
	ナイフ	そんなことねえよ。まあ昔の俺は，人に対して突っ張って生きていたところが一緒だったかな。
	T	ナイフさんは暴走族（タップダンサー）を率いて不良のリーダーですよね。かっこいいですね。
	ナイフ	俺の親は金持ちだから，バイクとか暴走族のチームの服とかは親が買ってくれてるからね。だから俺は暴走族連中から慕われてるわけよ。
	T	じゃ，人望とかで慕われてるわけじゃないんですね。

ナイフ	おう。でも俺は一匹狼だから別にいいんだよ。
T	ナイフさんは，普段も共演者，特に民夫やブルースとは話をしてないようですよね。
ナイフ	仲良くしようとしてないもん。俺は役と私生活を稽古場に入ってすぐに切り変えられるほど器用じゃないから，普段もブルースや民夫とは話さないようにしてんだよ。今日も「おはよう」って挨拶しかしてないよ。

T	練習もすみっこで，一人でばっかりですよね。
ナイフ	いいんだよ！ 俺は一人が好きなんだよ！（笑）
T	みんなと仲悪くならないでくださいね。
ナイフ	ブルースとはラスト近くの12場位の稽古まで仲良くしてあげないし，民夫とも13場まで仲良くしてあげない（笑）でもな，ブルースと話さないのはそれだけじゃなくて，好きになった女の影響もあるんだよ。
T	えっ，そうなんですか。
ナイフ	いいか。俺の親は金持ちだろ。だから，いろんなところに女がいるんだよ。でな，俺を生んでくれたお母さんは俺が小さいときに出ていっちゃったんだ。子連れの新しいお母さんとはなじめなくって，俺は金には不自由しなかったけど，家にも帰らなくなったわけだ。

T	で，寂しがり屋になっちゃったわけですよね。
ナイフ	そう。そうすると拠り所を求めるようになるだろ。そんな時にライブで，ある女の声を聞いたら，それが昔子守り歌を歌ってくれたお母さんの声にそっくりだったんだよ。
T	そしてその人を好きになっていったわけですね。
ナイフ	でもそいつがあんまり「ブルースが，ブルースが」っていうもんだから，ブルースにはジェラシーっていうか劣等感っていうかそういうの感じるから，話したくないんだよ。
T	長い話ですね。考えたの誰ですか。
ナイフ	俺だよ（笑）
T	やっぱりね（笑）
ナイフ	それも役作りの一つなんだよ。
T	じゃ，最後にナイフよりお客さんに一言。
ナイフ	やる気がどうとかは今は言わないよ。とにかく本番観に来てくれ。そうすれば全部分かるよ。

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繊細さと男らしさを同時に持ち合わせる男，ナイフ。 その真の意気込みや演技力は，本番を観てくれたあなただけが感じるはずです。 今日は本当にありがとうございました。

次回はペッカー役の「大歳勝磨」さんです。ご期待ください。



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